『岡崎京子の研究』(アスペクト)
一般情報
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題名 | 岡崎京子の研究 |
著者 | ばるぼら |
出版社 | アスペクト |
ISBN | 978-4-7572-2090-4 |
初版発行 | 2012-07-23 |
定価 | 本体1,600円(税込1,680円) |
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入手方法
全国の書店で購入可能ですが、大きい本屋でないと売ってないとの情報もあります。ウェブ上からは以下のサイトで購入可能なようです。
目次
すべて解説文であり本人の原稿・イラスト・マンガがそのまま収録されているわけではありません(引用はあります)。対応した年表は発行年月日・書名・種別・タイトル・一言解説で構成されています。
- プロローグ
- 1963-1979 岡崎京子の前史
- 1980-1985 岡崎京子の黎明期
- 研究者のためのノート〈一〉最古のイラスト、ポンプ、同人活動、東京おとなクラブ、漫画ブリッコ、自販機本、サン出版、一九八五年までの岡崎京子
- 1986-1988 岡崎京子の初期
- 研究者のためのノート〈二〉スコラと白泉社、アクションとお嬢様ブーム、東京三世社、エロな仕事、サエキけんぞう関連、手塚眞、ON STAGE、京浜兄弟社、漫画カルメンの謎、その他のマンガ仕事、子猫アート展、その他の非マンガ仕事
- 1989-1992 岡崎京子の中期
- 研究者のためのノート〈三〉アンアンとマガジンハウス、中尊寺ゆつこ、桜沢エリカ、よしもとばなな、アシスタント、フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴ、ディー・ライト、ニューウェイヴ/テクノポップ、九〇年代について、未収録作品群、単発仕事の雑誌、サザエさんと家族、好きなマンガ、川勝正幸
- 1993-1996 岡崎京子の後期
- 研究者のためのノート〈四〉植島啓司、広告批評、ウゴウゴルーガ、GOMES、ゴダール、デヴィッド・リンチ、小沢健二、おたく嫌い、さまざまな仕事、装画仕事、マンガ観
- 1997-2012 岡崎京子の事故後
- 研究者のためのノート〈五〉事故後から、時代とリアル
- 主要単行本解説
- エピローグ
外部紹介記事
補足
カッコ類について、作品名や固有名詞は「」、書名やパッケージ名は『』、特集名は《》、引用文は〈〉が使われています。ただし引用文中では「」や『』の使い方は原文ママです。
内容紹介(オンライン書店用)
岡崎京子は日本のカルチャー史に何を遺してきたのか? 1980年代から1990年代半ばにかけて活動し『pink』『東京ガールズブラボー』『リバーズ・エッジ』『ヘルタースケルター』を生んだマンガ家・岡崎京子の軌跡をほぼ網羅した研究資料集成。デビュー以前から事故後までを解説と年表で読み解く全六章。初心者から長年の愛読者まで、21世紀の岡崎京子研究の基本文献となるでしょう。
プロローグ(抜粋)
本書は岡崎京子に関するデータを集めた研究本です。彼女がどんな仕事をしてきたのか、それだけを注意深く追うことがまずは必要だと思いました。古い読者と新しい読者の両方を対象に、当たり前の読み方、当たり前の情報を共有することで、岡崎京子に対する印象を一度まっさらなゼロの状態に戻して、本書の読後に新たな気持ちで作品を読み出せることを目的とします。斬新な視点で思いもよらない評論を展開することは、その後に必要になるでしょう。それはあなたにお任せします。
コメント
岡崎京子という女性マンガ家の仕事を追った本ですが、マンガ評論ではなく80〜90年代の文化評論の本になっています。岡崎京子に限りませんが、マンガ家を論じるときに、マンガ史の観点からマンガの影響関係のみで捉えるのでは、様々なものを見落としてしまう、と考えています。マンガ家の部屋にマンガしかないとは思えませんし、色々なものを見たり聞いたりして作品を生み出すはずで、その多様なインプットを考慮したうえで、最終的にマンガにどのように表現されたのか、を考察する必要があるのではないでしょうか。問題は、今からそれをするには少し時間が経ちすぎている点です。
そこで、この本はマンガを含め時代性が感じられる事物を比較的多く解説しています。20世紀から読んでいる読者にも、「ヘルタースケルター」で興味を持った新しい読者にも、岡崎京子の何を知ればよりマンガが興味深く読めるのかがわかる、そうした時間差を埋めるために使われるといいなと思います。濃い題材を取り上げれば内容も自動的に濃くなる、という見本かもしれません。なお、ご本人やご家族とは関わりはありません。
デザインがなかなか気に入っています。本文と図版が入り組んだ一体感のある誌面デザインになっています。デザインはこじままさきさん、DTPは広田正康さんです。
参考文献追加
いくつかの雑誌が参考文献のリストから抜け落ちていました。
- 『ぱふ』1982年12月号、1984年1月号、1984年10月号(清彗社)
- 『comic box Jr.』Vol.3/1984年1・2月号(ふゅーじょんぷろだくと)
- 『ガロ』1994年7月号(青林堂)「FAX新聞「マウス・ツー・マウス」始末記」
- 『THIS』Vol.1 No.3/1995年6月10日発行(佐野元春事務所)「日本のヒップホップは今」
- 『まんだらけZENBU』31号/2006年6月20日発行(まんだらけ出版部)
- 『別冊宝島1504 おしゃれ革命』2008年3月7日発行(宝島社)「CUTiEが起こした「可愛い」革命」
修正情報
- p92. 「白熊書房」は「白夜書房(セルフ出版)」の誤植だ、と書いていましたが、小形克宏さんが在籍した「白熊編集室」というのは実在したそうです。『コレクター』の奥付に名前がありました。
追加情報
注:2015年に行われた岡崎京子展をきっかけに、かなり多くの未掲載情報が発掘されましたが、それらすべてを反映はできていません。
- 制作年不明・同人誌『無意味』にイラスト等。『岡崎京子の仕事集』(文藝春秋)に収録。
- 制作年不明・同人誌『CHRISTMAS PRESENTS』(cheshire cat company)にマンガ「SEX ON THE CARPET!」。『岡崎京子の仕事集』(文藝春秋)に収録。
- 1981-12-XX『DEPOT!』2号にイラストが掲載されていました。創刊号(81年7月頃)と3号(82年6月頃)は未確認。
- 1982-02-22『カムパネルラ』1号(山猫舎)にイラスト「よりみちの風景」が掲載されていました。
- 1982-09-XX『VIEWY』(山猫舎)および1983-03-23『東京おとなクラブ』2号(東京おとなクラブ)の「GIRLS AT OUR BEST」は『岡崎京子の仕事集』(文藝春秋)に収録。
- 1983-03-01『ポンプ』3月号(現代新社)にはイラスト(横を向いてる男性二人。Front LiNE)、写真(年賀状)、テキスト(ネコ目Tシャツ販売のお知らせ)が掲載されていました。
- 1983-04-15『カムパネルラ』2号(山猫舎)にイラストが掲載されていました。
- 1986-05-01『東京モダンボーイ 山の手ライフスタイル事典』(ラサール石井/学研)にイラスト収録。
- 1986-08-XX『ASUKA』(角川書店)8月号に直筆テレカ3名プレゼントあり。
- 1986-09-XX『AViC ビデオマガジン・アビック』9月号に写真付きコメント。「悶絶!!ギャグ・ウォッチング」
- 1987-04-07『Weekly漫画アクション』(双葉社)4月7日号にマンガ「犬飼智子の恋愛」が掲載されていました。単行本未収録。
- 1987-05-24『Hi'lde』vol.3(CSV渋谷+NOISE MARKET)付属ポストカードにカラーイラスト。
- 1987-09-29『週刊プレイボーイ』(集英社)9月29日号の「少女=性悪はホントーか?」でイラスト担当。
- 1987-10-01『Fine』10月号(日之出出版)でイラスト担当。
- 1987-XX-XX『別冊Fine アメカジハンドブック』(日之出出版)でイラスト担当。
- 1988-04-20『朝日ジャーナル臨時増刊 BOOK GUIDE'88 カウチ・ポテト時代のシステム読書術』(朝日新聞社)にコラム「ホンの5冊ですが ダンスしながらじゃ本は読めない」寄稿。
- 1988-04-20『ELLE JAPON』105号(マガジンハウス)にコメント。「いい女より噂の女がおもしろい スキャンダルはこうやって作る」
- 1988-09-30『ROCK FILE』vol.3(JICC出版局)の記事「ストリートキッズ・ウォッチング」に見開きイラスト。
- 1988-10-14『ヤングサンデー』19号(小学館)の「レッスン」は『カリブSongs』(双葉社)に収録。
- 1989-01-15『ワッツイン』89年1月号(CBS・ソニー出版)でイラスト「オリジナル・カセットレーベル」。カラーイラスト8点。
- 1989-06-13『Weekly漫画アクション』(双葉社)から連載開始の「ハイリスク」(全4回・6月13日号、20日号、27日号、7月4日号)は『カリブSongs』(双葉社)に収録。
- 1991-05-01『CUTiE』1991年5月号(JICC出版局)のスナップ写真コーナーに「SAMPIA-DELID K.O.」として被写体で登場。写真1点、短いコメント。
- 1992-09-04『anan』9月4日号/837号(マガジンハウス)に4コマ「イヤな女!」。『恋とはどういうものかしら?新装版』に収録。
- 1989-09-01『anan』1989年9月1日号/689号(マガジンハウス)に「東京カジュアル物語、おしゃれ買物編」。『恋とはどういうものかしら?新装版』に収録。
- 1989-09-15『ワッツイン』89年9月号(CBS・ソニー出版)でコメント「今月のCD推薦人」。いとうせいこう『MESS/AGE』を推薦。
- 1989-10-12『Hanako』68号(マガジンハウス)の記事「電気に強くなる法 知的生活のためのデンキあれこれ」でイラスト担当。
- 1989-12-10 CD『カフェ1984』(木村恵子)の付属ブックレット「Adolescence of 80's」に対談で出演。
- 1990-07-25『Instrumental Clip - Fresh Groove Mix '90』(Dr.Tommy & Spice、TOCT-5773、東芝)のライナーノーツにコメント。〈ワタシはかねてから近田春夫ひきいる「ビブラ・ストーン」のDr.トミーのかっちょいいダンス&シャウトにメロメロでした。(後略)〉
- 1990-12-10『YOKOHAMA DAYDREAM』(FM横浜開局5周年イベント委員会編/横浜エフエム放送)にコメント。
- 1990-01-01『思想の科学』1990年1月号(思想の科学社)は表紙イラストも担当。
- 1990-12-28 『ヤングサンデー』24号(小学館)の記事「有害コミックってナンなんだよ〜!?『ANGEL』問題を考える第2弾!!」にコメント「お母さんたち、あきらめなさいよ」。
- 1991-xx-xx 『文藝春秋』1998年11月号掲載、小西康陽のコラム「俳句の思い出。忘れたこと。」(p382-383)によれば、1991〜2年頃に「鼻眼鏡句会」という句会が開かれており、そのメンバーは〈サエキけんぞう、沼田元氣、尾上文、森本美由紀、岡崎京子、井出千昌、それにぼくとぼくの最初の妻。それにいつも誰かしらメンバーが加わった〉とのこと。
- 1991-01-11『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で1991年1月4/11日号〜1992年5月29日号に連載された「週刊岡崎ジャーナル」は、2015年1月に単行本『オカザキ・ジャーナル』(平凡社)に収録。
- 1991-01-26『黄金の馬車』(ジャン・ルノアール監督/東宝出版事業室)パンフレットにテキスト「転倒する黄金の映画」を寄稿。
- 1991-06-01『SPY』6月号(ワールドフォトプレス)でアンケート「漫画家32人に聞く手塚治虫=vに回答していました。
- 1991-09-10『Hot Dog Press』No.271(講談社)の記事「各界のペット好きが自信をもって予測 来年は、多分コレが流行るッ!」にコメント。
- 1992-01-30『週刊文春』の「ニッポンの考える人62人」に写真。
- 1992-02-18『Olive』の「オリーブ少女への手紙」第12回に登場。イラスト1点。
- 1992-06-01『広告批評』(マドラ出版)で1992年6月号〜1993年12月号に連載された「植島啓司と岡崎京子のFAX通信コトバのカタログ」は、単行本『オカザキ・ジャーナル』(平凡社)に収録。
- 1992-07-08『エル・ジャポン7月号別冊カルチャークラブ』(タイムアシェットジャパン)に「対談 岡崎京子+小西康陽 聴く音楽をどんどん変えて行く女がおしゃれですね」掲載。
- 1993-01-30『東京デニス・ホッパー・トリビューン(Tokyo Dennis Hopper Tribune)』(東京デニス・ホッパー・フェスティバル実行委員会)にイラスト+エッセイ「Hopper To-San BY KYOKO OKAZAKI」掲載。
- 1993-07-XX『PAPERS』No.5にイラスト「ぬりゑ『とうきょうのぼんおどり』」掲載。
- 1993-08-XX SFC音楽出版の高護氏が渋谷に3店同時にオープンしたレコードショップ「ULTRA」のオープン記念Tシャツのイラストを担当。
- 1993-10-21「話したいことがあります」(主催・ART LIFE21実行委員会)シンポジウムの10月開催分「人はなぜ表現行為を行うのか」に出演。他の出演者は植島啓司、荒木経惟。
- 1993-12-01『フィール・ヤング』12月号(祥伝社)は表紙イラストも担当。
- 1993-12-10『Hot Dog Press』No.325(講談社)にコラム「電脳都市に残された最後の自然、「死体」の放つ衝撃を考えてみる」執筆。『脳裏一体』『死体を探せ!』『図説・死体論』を紹介。
- 1994-03-31『ランチタイム』ヤングロゼ3月31日号増刊(角川書店)の「ファンシーOLミキ」は『岡崎京子の仕事集』(文藝春秋)に収録。
- 1994-04-19『apo』4月6日〜4月19日号(SSコミュニケーションズ)に展覧会についてのインタビュー掲載。
- 1994-04-22『TEXT-P』vol.01(P-HOUSE)に岡崎京子展開催についてコメント。表紙に「リバーズ・エッジ」のイラスト使用。
- 1994-05-27『anan』5月27日号/922号(マガジンハウス)に4コマ「ヒトメボレには気をつけろ!」4本。『恋とはどういうものかしら?新装版』に収録。
- 1994-06-21『一発大逆転』(アモーレ・ヒロスケ&ラブ・マシーンのデビューアルバム)のフライヤーにコメント。
- 1994-10-05『デザインの現場』072号のアンケート「The Era of Creative Recession」に回答。
- 1994-11-25『ペッパーショップ』1号(ペッパーショップ)の「スカートめくりのヨッちゃん」は『岡崎京子の仕事集』(文藝春秋)に収録。
- 1994-11-28 イベント「安原顯の「ふざけんな!」トーク」第3回「マンガは小説を超えた」@パルコ・パート3にゲスト出演。
- 1994-12-04『産経新聞』東京朝刊で「【書評】東京百景 サエキけんぞう、鈴木博文、伊藤ヨタロウ著」を執筆。
- 1994-12-20『電脳画報1』(マガジンハウス)の座談会「マルチメディアを取り戻せ!──僕たちの電脳生活入門講座」(いとうせいこう、今泉洋、岡崎京子)に出席。
- 1995-05-12『アンアン』969号(マガジンハウス)でイラスト+コメント+4コママンガを担当。カラーイラスト3点。4コマ2点「フクスーレンアイちゃん」。
- 1995-07-28『アンアン』980号(マガジンハウス)で表紙イラストを担当。
- 1995-09-01『月刊カドカワ』9月号(角川書店)の「100人に聞いたわたしの好きな手塚作品」にコメント。『アポロの歌』を推薦。
- 1998-05-25『愛について考える毎日』(矢野顕子、角川文庫)にコメント。「老化について」。※初出は『月刊カドカワ』の連載「月刊アッコちゃん」1992年1月号〜7月号のどれかと思われるが未調査
- 2013-03-01『フィールヤング』3月号(祥伝社)に別冊付録で「レッスン」(狩撫麻礼原作)収録。冊子には他に「単行本未収録コラム映画編」「旅行編」「イラストギャラリー」を収録。映画編は「リトルマン・テイト」(『ヤングロゼ』1992年8月号)、「ドラッグストア・カウボーイ」(『ヤングロゼ』1990年11月号)、「ヴェガス・イン・スペース」(『ヤングロゼ』1994年1月号)、「死霊のえじき」(初出不明)。旅行編は「モロッコでアバンチュールよっ!!」(『ヤングロゼ』1989年7月号)。イラストギャラリーは次号予告用のカット。イラストは冊子全体で16点収録。
- 2014-02-22『カリブSongs 狩撫麻礼作品集』(双葉社)に「ハイリスク」と「レッスン」収録。狩撫麻礼原作のマンガをまとめたアンソロジーで、同時にやまだないとの「夕陽の落ちるころ」「ラスト☆パス」も併録されている。
- 2015-03-25『宝島AGES』2号(宝島社)に小特集「岡崎京子レア&ミックスワーク」。「流行の素」カラー4コマ10本(『宝島』1989年3月号〜1990年1月号)、「プチK・iD」(『宝島』1990年8月24日号)、「PIZZICATO FIVE 岡崎京子のピチカート大作戦!!」(『宝島』1990年7月9日号)、「DeeLite」(『宝島』1991年9月9日号)、「GO!! GO!! 恋のスマート大作戦」(『smart』1995年10月号)、「小泉今日子の気分」(『宝島』1989年6月号)、「ダイエット特集」(『CUTiE』1994年11月号)、「ROCKライナーノーツ」(『宝島』1990年12月24日号)を原寸〜縮小掲載。また「流行の素」の押切伸一がコラム「岡崎さんは「京子ちゃん」がしっくりくる人」を寄稿。
- 2015-06-05『夜遅ごはん 翌朝ごはん』(柳澤英子/主婦と生活社)の表紙に学生時代の月と太陽の絵が使用されている。
- 2015-08-27『恋とはどういうものかしら?新装版』(マガジンハウス)に新たに「オザケン大好き。」(『月刊カドカワ』1993年12月号)と「東京カジュアル物語、おしゃれ買物編」(『anan』1989年9月1日号/689号)を追加収録。デザインは坂本志保。
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最終更新日:2024年5月3日