『消されたマンガ』(鉄人社)
2016年4月に『定本 消されたマンガ』(彩図社)として文庫化しました。今後はそちらをお買い求め下さい。
一般情報
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題名 | 消されたマンガ |
著者 | 赤田祐一+ばるぼら |
出版社 | 鉄人社 |
ISBN | 978-4-904676-80-6 |
初版発行 | 2013-07-25 |
定価 | 本体1,300円(税込1,365円) |
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入手方法
全国の書店で購入可能ですが、大きい本屋でないと売ってないとの情報もあります。ウェブ上からは以下のサイトで購入可能なようです。
目次
基本は解説文であり原稿・イラスト・マンガがそのまま収録されているわけではありません(引用はあります)。
- まえがきに代えて マンガ史から抹殺された手塚治虫作品とその意味するもの
- 第1章 1940‐1969
- 「のらくろ」
- 「サザエさん」
- 「妖怪探偵団」
- 「噂の皇居前広場」
- 「ブローニング32口径」「死を買う」
- 「8マン」
- 「風太郎」
- 「あかつき戦闘隊」
- 「ハレンチ学園」
- 「狂人軍」
- コラム 見ない、買わない、読まない 悪書追放運動で“不良出版物”は消えたのか
- 第2章 1970‐1979
- 「アシュラ」
- 「切り裂く!」
- 「やけっぱちのマリア」
- 「おとこ道」
- 「現約聖書 惣次郎流転編」
- 「櫻画報」
- 「魔太郎がくる!!」
- 「やさしく殺してェ!!」
- 「ブラック・ジャック」
- 「キャンディ♥キャンディ」
- 「うしろの百太郎」
- 「パタリロ!」
- 「堕天使たちの狂宴」
- 「夜光虫」
- コラム 日本共産党による読物批判とエロ劇画追放運動
- 第3章 1980‐1989
- 「私立極道高校」
- 「キャスター」
- 「ちびまる子ちゃん」
- 「信長」
- 「ゴルゴ13」
- 「美味しんぼ」
- コラム 「ちびくろサンボ」から「オバQ」まで 黒人差別とマンガ表現の境界線
- 第4章 1990‐1999
- 「電影少女」
- 「地球をかけめぐる頭脳集団 三菱商事」
- 「燃える! お兄さん」
- 「ANGEL」
- 「沈黙の艦隊」
- 「森へ帰ろう」
- 「ラジヲマン」
- 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
- 「タイガーマスク☆ザ・スター」
- 「MMR」
- 「あんみつ姫」
- 「勉強しまっせ♥」
- 「トキメキALBUM」
- 「マイナス」
- 「代紋TAKE2」
- 「おまかせ! ピース電器店」
- 「いけない! ルナ先生」
- コラム 有害コミック規制問題が残した置き土産 「成年」マークはなぜ付けられたか
- 第5章 2000‐現在
- 「まんがで覚える韓国語」
- 「国が燃える」
- 「珍入社員金太郎」
- 「蜜室」
- 「毎日かあさん」
- 「エデンの花」
- 「ゆび」
- 「メガバカ」
- 「イキガミ」
- 「ゼロセン」
- 「週刊新マンガ日本史」
- 「さよなら絶望先生」
- 第6章 証言
- 泉昌之氏に聞く『かっこいいスキヤキ』収録作 パロディ作品お蔵入りの真相
- 平松伸二氏に聞く「マーダーライセンス牙」 エンターテイメントにおける表現と現実の関係
- 旭丘光志氏に聞く「噫 日本共産党50年伝」 連載劇画“弾圧事件”の背景
- 奥成達氏に聞く「サザエさま」 長谷川町子に訴えられた詩人
- 橋本一郎氏に聞く「アポロの歌」 手塚治虫が「性教育マンガ」を引き受けた理由
- 浅川満寛氏に聞く「血だるま剣法」 二度にわたる復刻の舞台裏
- コラム マンガの神様の前で“問題作家”が素直に語る そのときジョージ秋山は何を考えていたか
- マンガと事件の周辺年表
- エピローグ
外部紹介
内容紹介(オンライン書店用)
マンガの世界には様々な事情によって、発禁や自主規制、単行本未収録となる、いわゆる「封印作品」が少なくありません。本書では戦前から戦後・現代まで、あらゆる時代の封印作品を取り上げています。
- 日米開戦で連載打ち切り『のらくろ』
- 「当たり屋」を描いた回が欠番『風太郎』
- 部落問題で絶版
- 回収『血だるま剣法』
- 作者が銃刀法違反で逮捕『8マン』
- タイトルが全てを物語る『狂人軍』
- ロボトミー手術を描いて大問題に『ブラック・ジャック』
- サイケすぎる夢の話が欠番『ちびまる子ちゃん』
- 用務員に対する差別表現が問題に『燃える!お兄さん』
- 原発ネタの超ブラック作品『ラジヲマン』
- 地下鉄サリン事件を偶然予言した『MMR』
- H描写で有害図書指定された『いけない!ルナ先生』
- 日韓W杯の広報誌で不適切な表現『まんがで覚える韓国語』
- クラスの生徒を「五大バカ」と表現『毎日かあさん』
- 全ページから盗用が発覚した『メガバカ』
など、全60作品以上を収録。封印理由を解き明かすとともに、当時の世相やマンガの「裏歴史」をたどれる内容になっています。
加えて、本書では、泉昌之氏(『かっこいいスキヤキ』)や平松伸二氏(『マーダーライセンス牙』)といった、現実に作品が封印された作家や関係者のインタビューも収録。マンガ表現と規制問題についてもよくわかる一冊です。
追加情報
「エデンの花」の項で触れた「スラムダンク」の話題ですが、噂では(事実確認はしておりません)作者がバスケ雑誌から許可を得て模写していたとの話があります。事実であれば少し該当の項目は書き直さなくてはいけないと思っております。公にできる正確な情報をお持ちの方はご一報ください。
コメント
赤田祐一さんとの共著です。赤田さんは70年代後半、高校生の頃から迷宮(コミックマーケットの母体となった漫画批評集団。米澤嘉博も参加)の会合に通っていたほどのマンガマニアであり、異常に詳しい方です。ワタシはそれと比べれば普通のマンガ好きで、勉強させていただきます……というのが正直なところでした。マンガの資料を集めるのはわりと好きだったので対応できたとは思っています。
こういうジャンルの本はすでに何冊か出ており、先行する類書との違いを出さなくては本を出す意義がありません。ではどこに違いがあるのかというと、インタビューと年表だと思っています。インタビューは赤田さんが、年表はワタシが担当しています。どちらもお互いの得意分野で、類書とは内容はまったく似てないはずです(ワタシは類書は今回参照していませんが)。そういう意識で作りました。
blogdexjp@hotmail.com
最終更新日:2016年4月14日