『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』(翔泳社)についての著者による情報

結論──

「歴史はくり返す」とは書いていますが、これから本格的に参入する人達はまだしも、本書に掲載された出来事をいくつも知っていた貴方にとって、同じ事がこの先も延々続くのでは少し退屈でしょう。変わりつづける今があるから、もう変わらない昔が懐かしいわけです。本書にとじこめたインターネットの記録がいつまでも懐かしくあるように、この先もインターネットを面白く変化させ続けてほしいと思います。ありがとうございました。

以下、蛇足──

一般情報

題名 教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書
著者 ばるぼら
出版社 翔泳社
ISBN 4-7981-0657-7
初版発行2005-05-09
定価 本体2,380円(税込2,499円)

入手方法

全国の書店で購入可能ですが、大きい本屋でないと売ってないとの情報もあります。ウェブ上からは以下のサイトで購入可能なようです。

正誤表

最新版の正誤表は現在翔泳社のウェブサイトにあります。 掲載されていない個所でお気づきの点は、お気軽にご連絡ください(メール・掲示板など)。よろしくお願いします。

関連情報

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史ヽ(´ー`)人(´ー`)ノ
本書の年表部分の原型になったHTML版です。内容の保証はしません。
『教科書ry教科書』の感想を淡々と記録するよ
本書の反応リンク集です。

目次

FAQ:なぜあのサイトが載っていないのか?

たどり着けなかったから

すべてが個人作業ゆえ限度があり、そのサイトまでたどり着けませんでした。

載せた気になってるから

「超大手とは言わないまでも結構有名サイトなのになぁ」という場合はこの確率がヒジョーに高いです。とっくに載せてると思ってたら載ってなかったサイトが気づいただけでいくつかありますが言えません。「本文に出てくるけど年表に出てこない」もこのパターンが多いです。

開設日が判らなかったから

年表という性格ゆえ、開設日もしくは月までは判ったサイトでないと出来るだけ載せたくない、という中途半端な主義であるため、載ってないことが多々あります。「Since 2005.05.09」のような表示や、最古の過去ログの有無、robots.txt、デザインがわけわかめ、などの要因が調査に影響を及ぼします。

避けたジャンルのサイトだから

例えばミュージシャンのファンサイトは載せてません。アーティストごとに歴史があり、きりがないからです。また広い意味でのデータサイトも載せていません。どのサイトを載せるか、といった取捨選択のしようがないからです。

本当に知らない文化だから

これは単なる著者の無知です。もちろん知らないことの方が多いのですが、例えば同人文化は全然通ってないので、名前を並べることはできても、どの程度インパクトがあったのか、という影響範囲が判らないため、ネットとの融合部分の歴史記述ができません。いい加減なことを書くよりは書かないことを選択しました。この点は申し訳ありません。

この本で扱っているネット文化とあまり関係ないから

本書が扱っているのはインフラ整備・企業サイト・ネットワークのハウツーなどではなく、「ネットの個人文化(個人サイトや個人単体ではない)」なので、関係なさそうな部分の記述は行ってません。

たまたまサーバが落ちてたから

これはウェブログ方面に多いような気が……。メンテナンスにぶつかった時などです。著者はこの本の作業の半分以上を56kのダイアルアップ接続で行ったので、サーバが重くて開かないサイトを載せない場合がありました。

教科書に載りそうだから

本書で扱うのは教科書には載らない方の歴史なのです。

本書に載っていないこと

本書に載っていることが全てではありません。本書掲載の事柄は、ネット全体から見れば本当にごく一部のことだけです。以下に並べる事柄ですらごく一部ですが、とりあえず載ってないことが判明している範囲で書いておきます。

同人・CG関係

p489下段で「本書では取り上げなかったんですけど……」と触れた部分です。著者は同人文化を体験していません。CGを自分から捜すこともありません。そうした文化があることは知っているものの、継続的に追うことがないため詳細を知りません。なるべく周辺文化に対して誤解のないよう気をつけたつもりでしたが、知らないものを書くのは限度があります。どなたか一度パソコン通信から続く、作家とネットワークの関係の歴史を書いていただけたらと思います。

オープンソース・UNIX・ソフトウェア開発者関係

p395下段で「あまり「ReadMe!」周辺と関わってこなかった技術者系のサイト群」と触れた部分です。著者は随分前に技術者系のメーリングリストをすべて脱会したため、現在の状況がよく判っておりません。プログラミング言語や開発環境だけでも年表で触れておけばよかったのですが、人の流れなどは限度があります。

ゲーム関係

攻略サイトなどはほぼ触れていません。「なぜあのサイトが載っていないのか?」でも書きましたが、キリがないからです。BM98なども同様です。また、p336から始まるradicalさんのインタビューで『ざるの会』について触れて頂いてますが、例えばそうしたゲーム系同人誌のネット展開などについても触れていません。これは著者が同人文化に詳しくないせいです。「著者の興味範囲が狭すぎる」と言われるとは思いますが、客観性は主観を寄せ集めて初めて獲得できるものです。ぜひとも貴方自身による歴史記述を希望します。

ソフトウェア関係

シェアウェア・フリーウェアに限らず、ソフトウェアは特殊なもの(偽装ツールなど)を除きあまり載せていません。これはきりがなかったせいと、著者が使っていないものに対する扱いのブレが大きくなりすぎると判断したためです。ただ「タブブラウザの登場によりサイト巡回が容易になり、個人サイトの数の増加に閲覧者側も対応できたのかもしれない」くらいは触れた方が良かった気がしました。ソフトウェアと個人サイト文化の影響は今後も考える必要がありそうです。

書評サイト関係

書評サイトはほとんど触れていません。これは個人サイト文化にどう関わってくるのかいまいち理解しておらず、書きづらかったせいです。テキストサイトの項に「書評系」として入れてもよかったかもしれませんが……。一度どこがどのサイトにどう影響を与えたかなどの情報を教わりたいです。

メーリングリスト/メルマガ関係

これらは本書で解説する個人サイト文化とほとんどリンクしません。質疑応答の場としての機能は対象範囲外です。これは技術者系サイトが載らなかった理由の一つでもあります。また、例えば1000人以上参加者がいるメーリングリスト/メルマガが100あるとします。十分歴史になりそうな気もしますが、実際に書いてみると開設日順に名前を羅列する以外は、内容紹介くらいしか書きようがないのです。これは歴史記述とは言えません。つまりお互いの影響関係が見えづらく、ルーツを辿る行為が難しいのです。そうしたジャンルは避けています。

検索エンジン/ウェブサービス関係

これは教科書に載る方の歴史だと思います。個人サイトとの影響を考え始めるときりがないので省略しました。

その他の情報

何かあれば随時付け足していきます。


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最終更新日:2005年11月25日